丹沢トレッキングクラブ

丹沢トレッキングクラブ”Tanzawa Trekking Club;TTC”は神奈川県厚木市を本拠地とし、神奈川県央地区の山好き成年男女が集う地域山岳同好会です。

活動

◆北海道日高山系幌尻岳山行(2015.7.24(金)-28(火);4泊5日)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

写真アルバム 山行記録 山行計画書

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2015.7.24 (金)午前、男性4名、女性3名のメンバが羽田空港に集合して千歳空港に向かう。この4月まで当クラブメンバであったが、都合で北海道に帰郷した男性メンバ1名と千歳空港で合流。車2台に分乗して、幌尻岳「額平川登山コース」の登山基地となる平取町豊糠の「とよぬか山荘」に前泊。このところ雨模様の日が続き、翌朝も小雨模様で額平川の水嵩がどの程度なのか心配しながら、7:00am発のシャトルバスで額平川林道第2ゲ-トまで送迎を受け、林道を約1:40歩いて、林道終点の取水施設から右岸につけられた登山道をしばらく遡ってから河原に下り立ち、額平川の遡行を開始。今日の額平川は平常時に比べ水位がかなり高く、流れも速い。渡渉箇所の水嵩は概ね股下程度あり、渡渉条件としては決して容易とは言えない。とくに流れの急な渡渉箇所では、ロープを張り、流されないよう確保しながら慎重に渡った。川幅約10mの額平川の急流の中を10数回の渡渉を繰り返し、約4時間を要して、幌尻山荘までの約3km弱のスリリングな遡行を無事終了した。
翌早朝の待望の幌尻岳登山のスタ-トは、小雨模様の中、雨具を着ての出発となる。眺望のきかない中、急登を凌いで稜線に出ると、左手に壮大な北カ-ルと、その谷を埋め尽くすお花畑の花々に導かれるように日高山系の最高峰2052mの幌尻岳頂上に到着。頂上稜線は生憎濃いガスに包まれ眺望なし。今回はなんとしても、七ツ沼カ-ルを見下ろしながら戸蔦別岳を越えて、幌尻岳山荘に戻る周遊コ-スを歩きたいと意気込んで来たが、この天候では残念ながら往路を戻るしかなかった。
入山3日目の下山の朝、額平川の水位を偵察に行ったメンバから、入山時より水位が約20cmは高いとの報告を受け、メンバに緊張が走る。山荘管理人から、今日は水量が多いので、とくに慎重に下るよう注意を受けての行動開始となった。水流の緩い場所を探しながら、腰上まで水に浸かっての渡渉が続く。往路にロープを張って渡渉した難所では、流れはさらに激しく、女性メンバが流れに足をすくわれて転倒し、ヒヤリとする場面もあったが、確保用ロープに助けられて、自力で岸にたどり着いて事なきを得た。今回の山行に先立って、西丹沢の沢で渡渉トレ-ニングを積んだ経験が、今回の困難な渡渉に大いに役立った。日本百名山の中で、一、二の困難度を有すると言われる幌尻岳登山。この評判に違わない額平川の困難な遡行を何とか乗り切って全員頂上に立てたことは、大きな自信と一生涯忘れない良い思い出になった。
当クラブでは、これまで幌尻岳山行を4回実行。最初の2005.8.25は台風通過にかち合い、登山口まで行ったものの、額平川の濁流を目にして撤退。2度目(2006.7.13入山)は今回の往路と同程度の水位に苦労しながら渡渉、全員頂上を踏むが、雨模様で、今回同様戸蔦別岳周遊は断念。3度目(2007.7.11入山)は水位が大腿程度と最も少なく、楽に渡渉できたが、雨模様の天候で、頂上に登るも展望は得られず。今回を含めて、頂上を踏んだ3回の幌尻岳登山は、頂上付近のカ-ルに高山植物が咲き競う7月中~下旬。いずれも天候に恵まれず、しかも、そのうち2回は額平川の渡渉に苦しめられた。梅雨のない北海道と言われているが、最近の7月の北海道は、意外に雨天の日が多い。登山基地となる幌尻岳山荘の宿泊予約が、通常4/1からの先着受付で、かつ希望通りの日程での予約が難しいうえ、北海道までの格安航空券を購入しようとすると相当前からの事前予約が必要である。天候が悪そうだからといって、日程を直前に変更することは事実上容易ではない事情も、幌尻岳登山を難しいものにしている。

 

◆立山弥陀ヶ原・称名滝トレッキング/黒部峡谷トロッコ列車の旅(2015.8.5(水)~7(金);2泊3日)の写真アルバム、実施記録、実施計画書を掲載。

写真アルバム 実施記録 実施計画書

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2015.8.5(水)早朝、前夜横浜-桜木町間の架線事故により、町田-八王子間の横浜線のダイヤの乱れと遅延は必至との情報を得て、すぐさま出発時間を30分早め、JR相模線に迂回して八王子に向かう対応をしたおかげで、八王子発8:03のあずさ3号に間に合った。扇沢12:00発の臨時便トロリ-バスに乗車、地下ケ-ブルカ-・ロープウェイ・トロリ-バスと乗り継ぎ、これまでの最速記録となる所要時間1:24で、メンバ8名揃って室堂タ-ミナルに降り立つことができた。立山連峰の大展望を楽しみ、室堂平に競い合って咲く高山植物を愛でながら、今夜の宿「雷鳥荘」に向かった。みくりが池温泉から雷鳥荘に向かうと、活動が活発化している地獄谷から吹き上げる火山性ガスの臭いが鼻を突き、かつて付近の斜面を緑で覆っていたハイマツが無残にも枯死して褐色に変化してしまっていた。午後のひと時、雷鳥荘の濁湯にゆったり浸かり、暮れゆく立山連峰の大展望を心行くまで楽しんだ。
翌早朝、快晴の空のもと朝日に輝く立山連峰、奥大日岳・大日岳やみくりが池の水面に映る立山の景色を楽しみながら、室堂タ-ミナルに向かい、8;00発の一番バスに乗車して、大勢のハイカ-とともに弥陀ヶ原に降り立った。どこまでも広がる大草原と点在する池塘の中に続く木道を歩きながら、ワタスゲやキンコウカ、穂になってしまったチングルマ等の花々を愛でながら、追分までの弥陀ヶ原散策を終え、更に弘法を経由し、古の登山道「標高差約600mの『八郎坂』」を下って、称名滝までの歩行距離11.5km/累積標高差下り約1000m/歩行時間5:20/行動時間約7時間半の少々歩きがいのあるトレッキングを楽しんだ。左に大きく高く聳える薬師岳の雄姿を眺めながら、八郎坂の下りにかかると、轟音が響き渡り、目前に落差350mが4段になって流れ落ちる称名滝の最上段が現れる。高度を下げるにつれて移りゆく称名滝の景観を楽しみながら、想像以上に傾斜が急で、歩きにくい八郎坂を慎重に下り、ついに至近距離から全員初見参となる落差日本一の称名滝の落口至近の観瀑台に立って、そのスケ-ルの大きさに圧倒されながら感激に浸った。
その夜は、富山地鉄立山駅近くの宿で、炭酸水素イオン成分の濃い美人の湯につかって疲れを癒し、富山湾の海の幸に舌鼓を打った。翌日は、2時間半に及ぶ富山地鉄ロ-カル線の旅を堪能しながら宇奈月温泉に立ち寄り、欅平往復の黒部峡谷トロッコ列車の旅を楽しんだのち、北陸新幹線の初乗り体験をしつつ、大宮・新宿経由で帰宅の途についた。今回の旅では、3日間で都合21回も乗物の乗り換えがあり、手違いや乗り間違い・乗り遅れがないようにと、山を歩いている時より数倍気を遣った。

◆南会津駒止湿原・高清水ヒメサユリ自生地/帝釈山・田代山フラワ-トレッキング(2015.6.21(日)-22(月);1泊2日)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

写真アルバム 山行記録 山行計画書

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2015.6.21(日)朝、日中雨の予報に中、メンバ11名がハイエ-スに乗車して厚木市を出発。東名高速、首都高速を通過し、東北道西那須野塩原ICから南会津町に入ると、天気予報は見事に外れ、青空も広がるハイキング日和。今回の山行は、初日は花々が一斉に咲き始めた南会津最大の駒止湿原をウォ-キングしたのち、見頃を迎えた始めた日本最大のヒメサユリ自生地「高清水自然公園」にヒメサユリを訪ね、その晩は桧枝岐温泉と郷土料理のグルメを楽しみ、翌日は、一属一種の日本固有の希少種「オサバグサ」を訪ねて、帝釈山系の盟主「帝釈山(2060m)」に登り、更に足を延ばして、花の百名山「田代山(1971m)」の頂上湿原に咲き始めた花々を愛でるという花尽くし、温泉・グルメの旅を堪能することだ。最初の訪問地「駒止湿原」では、一面埋め尽くすほどのワタスゲの穂が風に揺れ、豪華な白花を群生させるコバイケイソウに圧倒され、鮮やかなオレンジ色のレンゲツツジの花が彩りを添える中、約1.5時間のウォ-クングを楽しんだ。次に訪れた高清水ヒメサユリ自生地では、昨日ヒメサユリ祭のイベントが済んで、標高約950mの広大な谷間の草原に見頃を迎えつつある100万株のヒメサユリの優雅な花々を堪能。最後は車を1時間走らせ、桧枝岐村のほぼ中心に位置する裁ちソバの老舗「まる屋」が経営する客室5部屋の小さな旅館「丸屋旅館」に落ち着き、極上の温泉に浸かり、桧枝岐の郷土料理「山人(ヤモ-ド)料理」のフルコ-スを堪能。翌朝は早い登山の出発に間に合うよう朝食のサ-ビスをしていただくなど、心のこもった数々のおもてなしにお礼を申し上げて、2日目の登山に出発。舟岐川林道を約15km車を走らせ、帝釈山の登山口となる標高1790mの馬坂峠に車を留め置き、一登りで2百名山帝釈山頂上へ。さらに、清楚な白花を咲かせるオサバグサが群生する樹林帯の尾根を1.5時間辿ると田代山湿原の一角に飛び出した。咲き始めたばかりのワタスゲやチングルマ、コイワカガミ、ヒメシャクナゲ、タテヤマリンドウ等の花々を愛でながら標高1900m超の高層湿原を一周してから、ドライバが待つ馬坂峠まで戻り、歩行時間5.5時間/行動時間7時間のハイキングを終了し、9:00pm前に厚木に帰着した。梅雨真っ最中であったが、雨に降られることなく、花々とグルメと温泉を存分に満喫することができた。

◆旧東海道 三嶋-元箱根ウォ-キング(2015.6.7(日);日帰り)の写真アルバム、実施記録、実施計画書を掲載。

写真アルバム 実施記録 実施計画書

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2015.6.7(日)朝、JR東海道線三嶋駅にメンバ5名が集合し、伊豆一宮「三嶋大社」に向かう。樹齢1200年の天然記念物「金木犀」の大樹に圧倒されながら、拝殿に参拝後、境内で準備体操を済ませ、鳥居前の旧東海道をスタ-トし、案内標識に導かれながら、箱根に向かって歩き始める。本日のゴ-ルの元箱根までは、箱根峠まで標高差860mの登り坂を登り切ったのち、標高差約160m下って、元箱根に至る、歩行距離約14km、行動時間7時間半の少々ハードなウォ-キングである。箱根旧街道と言えば、箱根湯本温泉側の石畳が有名であるが、三嶋側も、石畳が往時のまま残り、名所旧跡等の見どころも多い。今回は、歩いたことのあるメンバがほとんどいない三嶋側を登り、江戸に向かう往時の旅人が味わったであろう箱根越えの苦労を体験しようと企画した。「臼転坂」や「こわめし坂」と名付けられた石畳の急坂を約4時間かけて登り、いささか足の運びが悪くなってきた頃、山中城址にたどり着き、ここで約1時間の昼食休憩をとって元気を取り戻した。さらに、荒れた石畳や杉林の中に続く旧街道を約2時間登り詰め、難所「箱根峠」を越え、最後は往時の雰囲気を色濃く残す杉並木を辿ってゴ-ルの元箱根に午後4時10分前に無事到着した。この日は、終日薄曇りで、期待していた富士山の眺望が得られなかったのは残念だった。

◆日光千手ヶ浜クリンソウフラワ-トレッキング(2015.6.14(日)-16(火);2日3日)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

写真アルバム 山行記録 山行計画書

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2015.6.14(日)朝、メンバ8名が横浜駅西口のバス乗り場に集合。ホテルの送迎バスに乗車。途中バスを2度乗り替え、日光中禅寺湖北岸のホテルに到着。この日は華厳の滝と立木観音を観光してからホテルに落ち着き、濁り湯の温泉を存分に楽しんだ。翌朝、青空が広がる中、近くの中禅寺渡船場から観光船に乗船。男体山や日光白根山、中禅寺湖の景観を楽しみながら菖蒲ヶ浜で下船。竜頭の滝左岸の遊歩道から、優雅に流れ落ちる滑滝の景観を楽しみながら滝上へ。当初計画では、ここから高山の頂上を経て千手ヶ浜まで約3時間のハイキングを予定していたが、アップダウンのきつい山道を長時間歩くのに少々不安があるメンバに配慮し、また、千手ヶ浜での滞在時間を十分確保するため、赤沼茶屋発着の低公害シャトルバスを利用して千手ヶ浜に向かった。まず、千手ヶ浜バス停の西方向約500mの静かな林間にポツンと佇む草加市奥日光自然の家の周辺に赤花のクリンソウが数千株咲く群生地を訪ねてから、千手ヶ浜湖岸を南に辿って、「仙人庵」周辺の大群生地を訪れた。中禅寺湖最大の流入川「柳沢川」河口周辺に広がる広大な林間と川岸に数万株のクリンソウが群生し、色とりどりの花が競うように一斉に咲き誇る様は圧巻。遊歩道をあちこち歩き回りながら、写真を撮ったり、見事な景観に見入ったりと、3時間半のクリンソウフラワ-トレキングはあっという間に終わってしまった。この一帯は輪王寺の所有地で、周囲に鹿除けネットを巡らせるなど、クリンソウの保護管理に相当力を入れているようだ。地元関係者の地道な努力の積み重ねによって、このような見事な大群生地が守られていると感じた。千手ヶ浜湖岸からの雄大に聳える男体山の景観に感動し、連絡船の船旅を楽しみながら、今朝出発した中禅寺渡船場に戻って、満足のうちに2日目の行動を終えた。最終日は、二荒山神社のご神体である男体山を守護する二荒山神社中宮祠を参拝してから帰路についた。梅雨最中の催行であったが、行動中は天候に恵まれ、新緑の森林浴と満開のクリンソウ、濁り湯の温泉を存分に楽しむことができた。

◆富士箱根トレイル 明神峠~三国山・大洞山~紅富台山行(2015.6.06(土);日帰り)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

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2015.6.06(土)朝、メンバ12名がJR御殿場線駿河小山駅前に集合。4月下旬~11月下旬の週末1便のみ運行中の満員バスに45分間揺られて、登山口となる明神峠に到着。本日は、見頃を迎えたはずのサンショウバラの花を求めて、静岡/神奈川/山梨の県境をなす三国山(1328m)から、大洞山(1383m)、立山(1330m)を越え、紅富台までの約10kmを約6時間かけて縦走するハイキングコ-ス。未明まで降り続いた雨は止んだが、ブナの樹林帯は濃い霧に包まれ、富士山をはじめとする眺望は得られなかった。お目当てのサンショウバラは、歩き始めて5分位のところで見つけたが、沢山あるはずの大洞山~立山付近には全く見当たらない。どうやら今年の異常気象で、花数が少ないうえ、その少ない花もすでに咲き終わって散ってしまったようだ。期待外れにがっがりしながら、紅富台に向けて下山し始めると、突然サンショウバラの群生に遭遇。諦めかけていたところだったので、メンバは大歓声をあげて喜んだ。最後の最後に目的を果たし、有終の美を飾って終了することができた。
富士箱根トレイル富士山須走口五合目(標高約2000m)から富士浅間神社・紅富台を経て(距離:約10km)、三国山塊から明神峠に至り(同約10km)、湯船山(1041m)・不老山(928m)の西丹沢山塊を経てJR駿河小山駅に降り立ち(同約13.1km)、再び南下して足柄峠を経て、箱根外輪山の金時山(標高1213m)に至る(同約10.7km)、4つの山塊を繋いだ全長43.8kmのロングトレイル。三国山より東側は静岡県と神奈川県の県境、それより西側はほぼ静岡県と山梨県の県境をなす。最近、地元静岡県小山町が、上記43.8kmのコースを「富士箱根トレイル」と名付け、新たなハイキングコ-スとしてPRしている。

 

 

◆西丹沢檜洞丸山行(2015.5.30(土);日帰り)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

写真アルバム 山行記録 山行計画書

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2015.5.30(土)朝、メンバ8名が小田急線新松田駅前に集合。バス停には既に大勢の登山者が並んでいたが、幸い始発前の臨時バスに乗車でき、終点西丹沢自然教室までの1時間を座っていくことができた。シロヤシオが目当ての今回の山行。標高1601mの檜洞丸 の登山コ-スとしては最も楽で、シロヤシオが多くみられるツツジ新道を登った。それでも、累積標高差1100m、歩行距離5.2kmの急登が続く健脚コ-スで、頂上まで約3.5時間を要する。途中、富士山がよく見える展望園地で休憩中、パトロ-ル中の神奈川県警松田警察署山岳救助隊の方々に出合った。ゴールデンウィ-ク期間中に熊笹ノ峰の手前の急な下りで、男性登山者が滑落して死亡する事故が発生しているので、犬越路に下山する際は十分注意するようご指導いただいた。山岳救助隊のメンバの中に、2013.年11月の当クラブ主催安全登山教室に講師としてお招きして、西丹沢山域での山岳遭難事例等についてご講演戴いた山岳救助隊リ-ダのA警部補を見つけ、ご挨拶させていただいた。 お目当てのシロヤシオの白花はなく、下山途中でトウゴクミツバツツジの紫花に出合ったのみ。どうやら今年は、シロヤシオのはずれ年のうえ、数少ない白花も、このところの高温続きの陽気で、例年よりだいぶ早く咲いて、すでに散ってしまったようだ。檜洞丸頂上から犬越路に向かう丹沢主稜コ-スは、クサリ場や崩落個所も多く、丹沢有数の急坂の悪路であったが、要所要所に階段等が取り付けられて、きれいに整備されていた。滑落死亡事故発生個所と思われる場所には、固定ロ-プが張られ、注意喚起の赤い垂れ幕が設置されていた。実は我々TTCパーティも、ちょうど2年前のこの時期、ここから30分ほど下った大笄~小笄間の登山道で、新人メンバがバランスを崩して、左の東沢側に滑落。幸い4~5m下の樹木に引っかかってかすり傷程度のヒヤリハット事例だけで済み、事なきを得た。今回の山行の目的の一つは、この現場で原因究明を図って、今後の安全行動に資することにあった。現場は事故が起こりそうもない何の変哲もない場所であり、昼食後の気が緩みがちな魔の時間帯2:00pm頃で、注意力が散漫になって転倒・滑落したとしか考えられなかった。事故は注意力が緩みがちな何でもない場所で起こりがちであり、登山道を歩く際は、常に注意力を集中して行動することの重要性をあらためて確認し、安全登山を誓い合った。終日好天に恵まれ、富士山や南アルプスの展望を楽しみながら、8時間強の登山を無事終えて帰宅の途についた。

◆奥多摩川苔山山行(2015.5.23(土);日帰り)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

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2015.5.23(土)朝、好天のもと、メンバ12名がハイエ-スに乗車して厚木市を出発。JR奥多摩駅前を右折し、1時間半余りで、登山口となる川乗橋に到着。ここから百尋の滝まで、川苔谷を遡るコ-スとなるが、約40分歩いた細倉橋先の登山道が、昨冬の大雪で崩れて、通行止めが続いているため、百尋の滝手前までの約2.4kmほど林道歩きが続く。登山道から2つの梯子を下り、奥多摩有数の名瀑、落差約30mの百尋の滝口に降り立ち、マイナスイオンを全身に浴びながら、新緑に映える名瀑を楽しんだ。ここから標高差約460mを約2時間かけて登って、標高1363mの川苔山頂上に到着。奥多摩でも人気の山だけあって大勢の登山客であふれていたが、ここでランチタイムとし、奥武蔵から奥多摩、奥秩父、丹沢山塊へと続く、緑の山並みの大展望を楽しんだ。下山は、大根の山の神を経由し、ハイエ-スの待つ鳩ノ巣駅に下り、全行程約8時間の登山を満足感のうちに終了した。
川苔山の山名の由来は、昔から食用として珍重されてきた川苔が採れる谷として知られてきた川苔谷の源頭にあることから、川苔山と名付けられたとされていたが、国土地理院が発行した1/50000及び1/25000地形図に川乗山と誤記されたため、以後、混乱が生じ、苔と乗の両方が使用されてきた。その後、平成8年(2004年)発行の1/25000地形図以降、川苔山、川苔谷と正しい表記に修正されたが、電子地図「ウォッちず」はまだ修正されず、川乗山、川乗谷の表記のままであり、また、橋の名称である「川乗橋」の表記には変更ない。

◆今倉山・二十六夜山山行(2015.5.17(土);日帰り)の山行アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

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2015.5.17(土)朝、ハイエ-スにメンバ11名が乗車して厚木市を出発。道志道(国道R412)から、ヘアピンカ-ブの急坂が続く県道R24に入り、登山口となる新道坂トンネルを抜けた標高1010mのトンネル西口まで、約1時間40分で到着。登山道を15分登るとトンネル上の御正体山に繋がる稜線に飛び出す。御正体山を背にし、新緑の急坂を1時間強登って、汗ばみ始めたころ道志山塊の雄峰標高1470mの今倉山頂上へ。ここからは、赤岩、松山はじめとするいくつものピークを越え、本日の目的地標高1297mの二十六夜山まで、約3時間の富士山展望と森林浴を楽しみながらの稜線歩きが満喫できるはずだったが、生憎の霞空で、富士山の姿は見えず仕舞。代わりに、ブナの原生林を彩るトウゴクミツバツツジやヤマツツジ、珍しいルイヨウボタン等の花々に癒されながらの静かな山歩きを堪能できた。二十六夜山から林道が通る松山とのコルまで往路を戻り、舗装された林道を約1時間下って、ハイエ-スの待つ県道R24まで下山した。今回の山行では、2人のベテランメンバを講師にして、山中で怪我をした際のペットボトル飲料水による患部の洗浄・消毒方法、ツエルトを利用したビバ-ク法や怪我人の緊急搬送方法、ロープのマット結び等について、ワンポイントトレ-ニングを実施してもらった。TTCで毎月実施している座学中心の安全登山教室とは違い、納得がいくまで実技を勉強できたと大変好評だった。
二十六夜山とは、江戸時代に盛んに信仰された旧正月と7月の三日月の二十六夜に寄り合い、阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩の三尊を拝めば、平素の願いが叶うと信じられて、近隣の村人達が、この山頂に集まって月待ちの儀式が行われたことから名づけられたという。二十六夜山と名付けられた山は、全国に3座あり、都留市のこの山が最も高く、道志二十六夜山とも呼ばれ、エイザンスミレの多い山として知られている。この山の東方の秋山川の源流にあたる山梨県上野原市に位置する標高972mの二十六夜山は、頭に秋山を付けて区別して呼ばれ、もう一座は標高311mで、南伊豆町にある。地元都留市のWebサイトに記載されている(道志)二十六夜山の解説に、この山が花の百名山の二十六夜山と紹介されているが、これは誤りで、マルバスミレとヒゴスミレの咲く山として、新・花の百名山に選ばれている二十六夜山は秋山二十六夜山である。

◆西丹沢大室山・加入道山山行(2015.5.09(土);日帰り)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

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2015.5.9(土)朝、メンバ9名がハイエ-スに乗車して厚木市を出発。路線バス終点にある西丹沢自然教室でトイレをお借りした。生憎の小雨模様のため、ここでレインウェアのボトムズを着用した。この先の白石林道ゲ-ト手前の用木沢出合(標高610m)に車を留め置き、用木沢コースから犬越路を経て、西丹沢の雄峰標高1588mの大室山に向かった。沢沿いにつけられ登山道の丸木橋を何度も渡り、河原を歩き、やがて水流が細くなって、急な登りを一頑張りすると、約1時間半で犬越路(標高1060m)に到着。ここから大室山頂上へは、西丹沢有数のブナの原生林が続く丹沢主稜を標高差520m登り切らなければならない。本日一番の頑張りどころだ。ブナの新芽、所々咲き始めたシロヤシオやトウゴクミツバツツジの花々を愛でながら、1時間50分要して頂上に到着。昼食は、頂上から10分ほど戻った休憩卓のある西の肩で済ませた。ここからは、思いの外アップダウンがきつい甲相国境尾根を加入道山・白石峠へと辿り、標高差約400mの急坂を白石沢に下り、あとは沢沿いのコ-スを名瀑白石の滝等を見ながら、ゆっくり時間をかけて下り、車の待つ用木沢出合に戻った。本日のコ-スは、累積標高差1100m超の西丹沢を代表する健脚コ-ス。朝ひと降りした雨も上がり、以後は曇天とまずまずの天候。新緑に染まり始めた西丹沢の約8時間半の静かな稜線歩きを堪能して、帰途についた。
西丹沢ビジタセンタ-の話によると、このゴールデンウイ-ク中に西丹沢山域で発生した山岳遭難事故は5件で、死者1名も出たという。一般登山コ-スであっても、道迷い、転倒、滑転落等の事故が発生がしやすい山域。普段から安全登山最優先で活動しているTTCではあるが、更に心を引き締めて安全登山に徹しなければと心を新たにした。