丹沢トレッキングクラブ

丹沢トレッキングクラブ”Tanzawa Trekking Club;TTC”は神奈川県厚木市を本拠地とし、神奈川県央地区の山好き成年男女が集う地域山岳同好会です。

活動

◆京都紅葉狩ウォ-キング(2016.11.16(水)-18(金);2泊3日)の写真アルバム、実施記録、実施計画書を掲載。

写真アルバム 実施記録 実施計画書

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メンバ7名により、2016.11.16(水)~18(金)の2泊3日行程で、京都紅葉狩ウォ-キングを実施した。初日は、大原三千院、寂光院を巡り、一乗寺界隈の曼殊院、詩仙堂に立ち寄ってから修学院近くのホテルに宿入り。2日目は、銀閣寺をスタ-トして、哲学の道を辿って鹿ヶ谷の法然院、真如堂、永観堂、南禅寺と廻り、その後東福寺に足を延ばしてから清水寺に戻り、産寧坂・二年坂から八坂神社を経て、四条通りのホテルに宿泊。3日目はJRバスで栂尾まで入り、栂尾山高山寺、槙尾山西明寺、高雄山神護寺と三尾の名刹を回ってから、自然豊かな清滝渓谷沿いの3.8kmの東海自然歩道の森林浴ハイキングを楽しみながら清滝へ。清滝トンネルを潜って愛宕・嵯峨野方面に抜け、愛宕念仏寺、化野念仏寺、常寂光寺と廻り、嵯峨野竹林を抜けて、天龍寺、嵐山渡月橋と京都の紅葉の名所を、基本的に徒歩で巡ったが、時間切れ、体力切れで割愛した紅葉の名所も相当数あった。3日間とも天候に恵まれ、何処も彼処も見事の一語に尽きる紅葉に出会い、感激・感動の3日間だった。また、紅葉を愛でるだけではなく、豪華な京会席の夕食、湯葉会席、南禅寺順正の豆腐懐石、ニシンソバ等の京都のグルメも堪能した。普段我々が目にすることの多い、山の紅葉とは異質のモミジを中心とした赤、橙、黄の紅葉のグラディエ-ション、松の緑、庭苔の緑の絨毯、名庭園の石組みや白砂、名刹の建物等々との見事なコラボレ-ションを存分に堪能した充実の3日間の京都紅葉旅だった。ちなみに、3日間で歩いた歩数は、1日目:18,000歩、2日目:32,500歩、3日目:28,000歩だった。

◆秩父城峯山山行(2016.11.12(土);日帰り)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

写真アルバム  山行記録 山行計画書

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2016.11.12(土)朝、メンバ17名がマイクロバスに乗車して厚木市を出発。圏央道と関越道を走り、花園ICから、城峯山南尾根登山道の登山口である中郷登山口に、厚木を出発して約3時間を要して到着。今回の山行は、薄紅色の可憐な八重の花を咲かせる冬桜(十月桜)と真っ赤に染まった紅葉のコラボレ-ションを楽しむのが主な目的。城峯山に登る主要な3コ-スのうち、最も長い南尾根コ-スから約3時間45分を要して頂上に登り着き、好天の頂上から360度の大展望と山座同定を楽しんだ。頂上から約2時間を要して、南西方向の標高約500m付近に広がる城峯公園まで下り、見頃を迎えた約600本のフユザクラとモミジのコラボレ-ションを楽しんだ。このあと、近くの「冬桜の宿神泉」で温泉に浸かって一休みしたあと、城峯公園を再訪し、ライトアップされて夜空に幻想的に浮かび上がる冬桜と紅葉を楽しんでから、帰途についた。

 

◆雲取山(三条の湯-雲取山-鴨沢)山行(2016.11.05(土)-06(日):1泊2日)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

写真アルバム 山行記録 山行計画書

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2016.11.05(土)朝、メンバ8名がJR青梅線終点の奥多摩駅に集合。臨時バスに約30分乗車してお祭バス停で下車。後山林道を約3時間半辿って、山奥の一軒宿三条の湯へ。単調な林道歩きが続くが、青い空と赤や黄色に染まった紅葉と緑の風景を楽しみながら歩いた。予約時には予約客で混み合っているとの説明であったが、15畳間の広い和室に案内され、すべすべのアルカリ温泉に浸かり、午後のひとときと一夜をゆったり過ごすことができた。快晴の翌朝、三条の湯を出発して、水無尾根から主稜線の三条ダルミに登り着き、さらにひと登りし、三条の湯から3時間15分を要して、東京都の最高峰2017mの雲取山山頂に登り着いた。少々風が冷たかったが、雪を戴いた富士山をはじめ、丹沢や奥多摩の山々が一望のもとに見渡せた。下山は石尾根を七ツ石山まで辿り、ここから奥多摩湖畔の鴨沢までの長い長い下りコ-スを、快調に下山。雲取山頂から4時間半と、計画より約1時間早く鴨沢に下山できたので、1便早いバスに乗車して、奥多摩駅に3:20pmに到着することができた。

◆北ア 黒部下廊下(黒四ダム-十字峡-阿曽原温泉-祖母谷温泉)山行(2016.10.15(土)-18(火);3泊4日)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

写真アルバム 山行記録 山行計画書

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2016.10.15(土)正午前、メンバ9名が10人乗りワゴン車に乗って厚木市を出発し、信濃大町の旅館に前泊。翌早朝、扇沢ターミナルに車を乗り付け、朝一番のトロリ-バスに乗車して、スタ-トポイントとなる黒四ダムサイトに向かった。車は、地元回送サ-ビス業者に依頼し、下山口となる宇奈月温泉トロッコ列車発着駅駐車場に回送してもらうことにした。ダム堰堤下流の木橋で黒部川左岸に渡り、「下の廊下ル-ト」(旧日電歩道)に入った。快晴の空の下、紅葉の最盛期にはまだ少し早い渓谷のほぼ平坦で広いルートを歩いて、内蔵助谷出合を通過。その先は岩壁を削り取った狭い水平道を進む。新越沢出合を過ぎると下の廊下前半の難所「大へツリ」。大へツリは高度感があって、道幅が狭く、所々頭上注意の箇所もある気の抜けない道が続き、崩落したル-トを高巻く木梯子の登降した少し先で、黒部別山谷出合に到着する。この付近は下の廊下で最も遅くまで雪が残り、スノ-ブリッジやスノ-ブロックがあって、通過が困難な場合には、垂直の岩壁に取り付けられた高巻き用の木梯子を登り降りして通過するが、今年は雪解けが速く進み、スリル満点の木梯子を利用せずに、この難所を通過して、川幅がわずか数mに狭まって激流渦巻く白竜峡に到着できた。その後、下の廊下の名勝の十字峡、半月峡、S字峡を経て、九十九折を下り、揺れる東谷吊橋を渡って右岸に出ると仙人谷ダムに達する。ダム堰堤を通って、再び左岸に渡り、標高差約100mを登り返して、約150m下ると、今日のゴール阿曾原温泉小屋に到着。黒四ダムから阿曽原温泉小屋までの18kmに及ぶ難路を9時間余りを要して全員無事に歩き切った。翌朝小雨の中を出発。いきなりの急峻な登りを凌いで水平歩道に入り、大太鼓の難所を通過し、志合谷トンネルを抜けて、さらに水平道を進み、最後は約50分下って、トロッコ列車の終点「欅平駅」に到着し、約1時間の大休止をとってから、約40分歩いた先にある今夜の宿泊先祖母谷温泉に向かった。翌朝、始発のトロッコ列車で宇奈月温泉に出て、回送してもらった車に乗って帰着した。
TTC主催山行として黒部下の廊下山行を実施したのは、2010.10以来、今回が2度目。前回は公共交通利用/夜行2泊3日行程のテント泊であったが、今回は、車を利用しての3泊4日行程の小屋泊まり。本計画は、2年前の2014年10月実施で計画したが、台風襲来により中止。昨年は、前述の黒部別山谷付近の残雪が多く、登山道が開通しないままシ-ズンが終わってしまった。そして、ヤキモキしながら登山道の整備完了の報を待った3年目の今年、3度目の正直で、やっと思いを遂げることができた。

◆奥志賀高原焼額山・白樺苑・奥志賀渓谷ハイキング(2016.10.15(土)-16(日);1泊2日)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

写真アルバム 山行記録 山行計画書

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2016.10.15(土)早朝、メンバ10名が新宿駅に集合し、大宮駅から北陸新幹線「かがやき」に乗車して長野駅で下車。長野電鉄に乗り換えて湯田中、さらに路線バスに乗り換えて、蓮池を経由して、奥志賀ゴンドラ前バス停まで、本厚木を出発してから約5時間を要して到着。これから登る焼額山ゴンドラ駅前広場で昼食を摂ってからゴンドラに乗って山頂へ。眼前に聳える奥志賀の盟主岩菅山とその左奥に聳える秋山郷の秘峰鳥甲山に挟まれた奧に、平たい頂稜部が広がる苗場山が望めた。このところ雨模様の日々が続いたが、今日は久々の好天。志賀高原に登るバスの車窓からも、槍ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、白馬岳等の北アルプスの雄峰が競い合い、すぐ近くには戸隠山や高妻山、火打山・妙高山等の北信濃の名峰がそろい踏みして出迎えてくれた。今秋の志賀高原の紅葉は例年に比べ遅れ気味のようだ。青空をそのまま水面に映す稚児池から、リンドウの丘を経て、白樺池を中心に広がる白樺苑を一回りする約4時間半のハイキングを終了し、今夜の宿泊先「スポ-ツハイム奥志賀」の送迎車にpick-upしてもらって、宿泊先へ。スポ-ツハイム奥志賀には、他に宿泊客はなく、TTC10名の貸し切り。夕食後、歴史的にも由緒ある館内の多目的ホ-ル「クルックサ-クル」のピアノをお借りして、メンバが演奏するピアノとハ-モニカのメロディに合わせてのコ-ラスに興じるなど、楽しい夜のひとときを過ごした。翌日は、雑魚川添いの奥志賀渓谷の滝と紅葉に染まりはじめた渓谷を訪ねてのハイキング。宿泊先の送迎車で、雑魚川沿いの奥志賀林道途中の奥志賀渓谷道入口まで送迎を受けた。ここから秋山郷切明水力発電所に送水する水の取水口がある雑魚川取水口に向かって、標高差約200m下り、取水口手前の目立たぬテ-プの目印に導かれて、奥志賀渓谷散策路に入り、渓谷を上流に向かって、大滝(おおぜん)、三段の滝、ハ-モニカの滝と歩行距離約3km/所要時間約4時間のハイキングを楽しんだ。面白い読み方で、説明するのが難しい奇妙な形の大滝。川幅約30mの水流が落差約3mで流れ落ちるハ-モニカの滝では、勿論滝の水音とハ-モニカの伴奏に合わせ、合唱を楽しんだ。ゴ-ルの清水小屋跡で再び宿の送迎車にpick-upしてもらってバス停へ。途中、幕岩温泉「ホテル志賀サンバレ-」に立ち寄って、汗を流してから、長野駅に戻り、新幹線で帰途についた。

渓谷美辿り、

◆奥秩父両神山(白井差新道コ-ス)山行(2016.10.02(土);日帰り)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載

写真アルバム 山行記録 山行計画書

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2016.10.02(土)朝、メンバ10名がハイエ-スに乗車して厚木市を出発。関越道花園ICから国道140号線・299号線を走って、小鹿野町中心街先から県道37号線に入り、さらに367号線を終点の白井差集落に約4時間を要して到着。両神山南東斜面一帯の山林の所有者で、白井差新道(作業道)を管理している山中氏にコ-スの説明を受け、手作りの詳細登山地図をもらって登山開始。登山口から両神山山頂までは標高差約900m、歩行時間約2時間半の登り。最初は、大笹沢の渓流沿いに進み、落差約20mの昇竜の滝を見て、さらに沢に架かるいくつも木橋を渡りながら沢沿いのコ-スを辿り、コ-ス中間地点となる水晶坂のジグザグ道を登りきると、休憩ポイントのブナ平に到着。ここから樹林帯の急斜面をひと登りすると梵天尾根の一角に飛び出す。さらに尾根を北に辿ると日向大谷からの登山道を合わせ、頂上直下の本日一番の難所のクサリ場を登ると、両神山の最高峰剣ヶ峰頂上に登り着く。狭い頂上は登山者で溢れ、休憩する場所もなかったことから、集合写真を撮ってすぐに下山にかかった。頂上に到着した際、それまでの濃い霧が晴れ、もしかしたら奥秩父や八ヶ岳の大展望が・・・と期待に胸を膨らませたが、残念ながら期待通りにはならなかった。また、頂上付近の紅葉もまだ少し時期が早かったようだ。下山は往路を戻り、約6時間の両神山登山を無事終了した。中山氏宅で、一人1000円の整備協力金を支払って、両神山の登山記念バッチを戴き、沢山のスイカをご馳走になった。途中、道の駅両神温泉薬師の湯に立寄り、汗を流してから帰路についた。
今回両神山登山に利用した「白井差新道」は、山林所有者の民有地内の作業道を山林所有者が整備し、維持管理している私道で、このコ-スの利用を希望する登山者は、事前に所有者の中山氏に申し込む必要がある。利用条件は、「1日当りの利用者は30名以内で、ピストン日帰り登山のみ。利用者は一人1000円の整備費の支払いが求められる。」という、他に例を見ない特異な私有登山道である。現在両神山山頂に登る主要な登山道3コ-スのうち、この白井差新道が最も短時間で安全に登れる初心者向けコ-スであることから、それなりに人気があるようだが、当クラブ主催山行で本コ-スを利用したのは今回が初めてである。そもそもの発端は、民有林の相続税に関する山林所有者と行政側(埼玉県・環境省)の話し合いがこじれ、2000年4月に民有地内を通る登山道を封鎖したことに端を発する。行政側は、2000年10月に民有地を通る白井差(旧)登山道等を廃道にした。それと時期を前後して、岩稜が連なる上級者向け登山道として絶大な人気を誇る八丁尾根コ-スから両神山山頂を経て、その登下山の起点となる落合橋に周回コ-スで戻れる地形図に記載がない登山道(作業道)が、突然閉鎖されてしまった。閉鎖の理由は、この作業道を下山中に滑落して重傷を負った登山者から、埼玉県に対し、損害賠償の民事訴訟が起こされたためだと言う。また、日向大谷側の八合目付近に食事を提供してくれていた立派な小鹿野町管理「清滝小屋」の管理人が山中で不慮の事故に遭って死亡するアクシデントが発生し、以来清滝小屋が無人の避難小屋になってしまたことにより、古からの信仰登山の山であり、日本百名山として人気の山でありながら、それまでより大分登りづらい山になってしまった。2000年以前は、当クラブでも落合橋を起点に32カ所のクサリ場が連続する八丁尾根の岩稜を日帰り行程で楽しんだりしたこともあったが、それ以降は、登山コ-ス選択のバリエ-ションが乏しくなり、登山口に前泊して日向大谷コ-スを往復する山行を1,2度実施したのみに過ぎず、今回久々の両神山日帰り登山となった。

◆越後駒ヶ岳山行(2016.9.17(土)-18(日);1泊2日)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

写真アルバム 山行記録 山行計画書

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2016.9.17(土)早朝、メンバ12名がマイカ2台に分乗して厚木市を出発。圏央道・関越道を走り、小出ICから国道352号線に入り、4時間余を要して、駒ヶ岳の登山口となる枝折峠に到着した。このところ、日本列島に秋雨前線が張り付き、太陽が顔を出す日がほとんどなく、悪天候が続く日々。今日は何とか持ちそうだが、明日は降雨必至の天気予報の中で実施を決断した。当初計画では、今日は駒の小屋に宿泊し、明朝駒ヶ岳頂上を踏んでから、駒ノ湯に下山する予定だったが、この悪天候に対応するため、今日のうちに駒ヶ岳頂上を往復して、駒の小屋に宿泊。明朝出来るだけ早い時間に小屋を出発し、枝折峠にピストンで戻る計画に変更することにした。枝折峠から小倉山までは小さなアップダウンを繰り返しながら、約3時間の緩い登りが続き、この先の百草ノ池までは、やや傾斜がきつくなるものの、登山道に木道が敷かれ、楽に歩くことができた。この先急に傾斜がきつくなった登山道は、時折雲間から垣間見える前駒のピ-クを越え、駒の小屋、越後駒ヶ岳山頂へと続いているが、この辺りにも真新しい木道が敷かれ、歩きやすいように登山道がきれいに整備されていた。木道に設置されている銘板を見ると、平成22年~平成25年とあり、これらの木道の大半は最近数年の間に整備されたようだ。ガイドブック等に記載されている枝折峠から駒の小屋までの標準的な歩行時間は、5時間50分程度となっているが、今回はそれより大幅に少ない4時間4分(行動時間4時間45分)であっけなく駒の小屋に到着できた。ちなみに、木道が整備される以前(2003年7月)の当クラブの歩行時間の実績値は4時間54分であることから、木道の整備によって、楽に登山できるようになったことは間違いなく、実にありがたい。この日のうちに越後三山の盟主「越後駒ヶ岳」頂上を踏んだが、期待していた大展望が得られなかったのは残念だった。この夜、定員40名の山小屋に泊まったのは、我々12名の他に5名のみで、ゆったり休むことができた。翌早朝、強風雨が間断なく続いていたのに、出発直前にピタリと止み、快調に下山にかかることができたが、百草の池付近まで下山したところで、雨が降り出し、それ以降ゴ-ルの枝折峠まで止むことはなかった。
越後駒ヶ岳の山開きは、毎年6月第4日曜日に行われる。我々は、昨年のこの日に登山計画を立てたが、雨天で中止に。今年こそはと、山開きの日に再度計画したが、やはり雨天中止。9月のこの時期に3度目の正直と、再々度チャレンジしたが、長引く秋雨前線に掴まり、雨模様の中での登山になってしまったのは残念だった。

◆北ア薬師岳・黒部五郎岳・笠ヶ岳山行(2016.8.12(金)-8.18(木)前夜発5泊6日)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

写真アルバム 山行記録 山行計画書

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2016.8.12(金)夜、メンバ6名が夜行バスに乗車して富山市へ。バスを乗り継いで、8.13朝、折立登山口に到着。6時間強を要して、入山初日の宿泊先となる太郎平小屋に到着して、1日目の行程を終えた。2日目快晴の朝、最初の百名山薬師岳を目指して出発。3時間強を要して薬師岳山頂に到着。山頂の北方には、北薬師岳に続く稜線の先に立山と剱岳が、振り返れば、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、水晶岳と続く山並の先に槍ヶ岳と穂高連峰等々と、北アルプスの名峰が勢揃いする360度の大パノラマを楽しんだ。その後、北薬師岳まで足を延ばそうと30分ほど稜線を北に向かったが、思いの外遠く、途中で断念して、太郎平小屋に戻った。3日目朝、霧で視界が利かない中、百名山2座目となる黒部五郎岳を目指して出発したが、北ノ股岳を越える辺りから本降りの雨。強風雨の中、約5時間を要して黒部五郎岳山頂を踏み、黒部五郎岳カ-ルに下る分岐点となる頂上稜線の風が当たらない場所を選んで、短い昼食を済ませてから、カ-ル底部に降り立つた。この頃になってようやく天候が回復しはじめ、霧の中に一瞬垣間見える黒部五郎岳の幻想的な景観や、最盛期は過ぎてしまったが、まだまだ見事な花を咲かせる高山植物群に感動しながら、約2時間を要して、3日目の宿となる黒部五郎小舎に到着した。夕方になるとすっかり晴れ渡り、北側には、これまで辿ってきた黒部五郎岳と薬師岳が、また南西方向には、これから辿る3座目の百名山笠ヶ岳が姿を見せた。入山4日目、快晴の空の元、黒部五郎小舎を出発して北アルプスのど真ん中に位置する三俣蓮華岳頂上に立った。眼前に聳え立つ鷲羽岳、水晶岳、カ-ルが美しい黒部五郎岳、圧倒的な存在感の薬師岳、眼下の黒部川源流に広がる雲の平の大展望を楽しんだ後、双六岳に向かったが、稜線は見る見るガスが立ち込めて、視界が遮られてしまったが、その代わりハイマツの間から雷鳥親子が出迎えてくれた。双六小屋に昼前に到着して、全員揃ってゆったりランチタイムを楽しんだ。ここから鏡平山荘に1泊して、小池新道から新穂高温泉に一足早く下山する男性メンバ2名(Aパ-ティ)を見送り、笠ヶ岳に向かう予定の残りメンバ4人(Bパ-ティ)は、午後のひとときを休養に充てた。入山5日目の朝は、雨装備に身を固めての出発になった。双六小屋から弓折乗越付近に広がるお花畑の花々を楽しみ、雷鳥親子に道案内をしてもらうなど、眺望が得られなくても、それなりに道中を楽しみながら、笠ヶ岳に向かったが、途中で本降りの雨になり、道中を楽しむ余裕もなくなってしまった。とくに抜戸岩を通過してから、岩にペンキ書きされた「あと少しガンバレ」の文字に励まされたり、期待を裏切られたりしながら、なかなか着かない笠ヶ岳山荘に、双六小屋を出発して、7時間余を要して、ようやく到着できた。山荘で昼食を兼ねた大休止をとった後、今山行3座目の百名山笠ヶ岳山頂に立ったが、濃いガスに阻まれ展望は全く得られなかった。しかし、夕方になってガスが切れ、これまで5日かけて縦走してきた薬師岳、黒部五郎岳、双六岳をはじめ、夕日に染まって輝く立山や剱岳、槍ヶ岳や穂高連峰の大景観、ダイナミックに変化する雲間に沈む夕日の景色、おまけにブロッケン現象も体験し、3000m級稜線でしか味わえない大景観に酔いしれた。最終日を迎えた6日目、小雨降る中、笠新道の下山にかかった。聞きしに勝る険路の下りが4時間近く続き、脚が悲鳴を上げだした頃、やっと蒲田川右俣林道の笠新道登山口に降り立った。途中、笠新道を登ってくる登山者にすれ違ったが、一様に疲れ切った様子を見て、登りコ-スに使わなかったのは正解だと思った。帰路は平湯に立ち寄り、温泉で6日間の汗と疲れを流した後、松本を経由して、7pm過ぎに厚木市に無事帰り着いた。
梅雨明けが例年より1週間以上遅れた上、相次ぐ台風接近等もあり、不安定な天候が続く中で実施した日本百名山3座縦走の今夏最大のビック山行。全行程の半分以上はガスや雨中の稜線歩きとなり、山頂を踏んだ3座の百名山のうち、展望が得られたのは、最初の薬師岳のみで、残り2座の山頂では濃いガスで何も眺望は得られなかった。しかし、朝または夕暮れには不思議とガスが晴れて、北アルプスの大展望を何度も楽しむことができたのは、本当にラッキ-だった。昨年の暖冬による少雪と春先の高温で、雪解けが異常に早く進み、例年7月下旬~8月上旬に北アルプスの稜線に一斉に咲き誇る高山植物も、今年はこの時期大半が咲き終わってしまっていたが、それでもまだまだ見事な花々を目にし、最近出会える機会が減りつつある雷鳥たちに5度も出会えたのは幸運だった。また、これまでの本山域における当クラブでの山行経験に基づき、我々中高年メンバが長期間にわたって安全で楽しく歩ける行程として、山小屋は6:00am前に出発し、遅くても3:00pmには山小屋に到着する(行動時間9時間以内)という、安全登山行動計画を堅持した結果、悪天候が続く中での行動であっても、体調不良者を出したり、目立ったアクシデントもなく、目的とする日本百名山2~3座の山頂を全員元気に踏むことができたことは特筆に値する。

◆南ア茶臼岳・光岳山行(2016.7.29(金)-7.31(日);2泊3日)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

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2016.7.28(金)早朝、メンバ3名がマイカ-に乗車して、厚木ICから東名・新東名高速道を走り、新静岡ICから国道362号線を北上し、大井川上流の畑薙第一ダムに向かった。途中、接岨峡付近の市道閑蔵線の道路工事による時間帯通行止めの案内標識に掴まり、通行止めが解除になる時刻までの3時間近くをここで待たなければならないかと観念しかかった時、地元パトロ-ル車から現在通行可能かもとのアドバイスを受けて、車を先に走らせ、約40分のロスタイムで無事目的地に到着できた。畑薙第一ダム駐車場先の沼平ゲ-ト前の駐車場に車を留め置き、井川観光協会の送迎バスに乗り換え、茶臼岳登山口となる畑薙大吊橋に、ほぼ計画通りの11:50AMに到着できた。ダム湖に架かる南アルプス最大級の大吊橋を渡って、ヤレヤレ峠を越え、上河内沢に架かる吊橋を4本渡り、ウソッコ沢小屋から中ノ段の小尾根を越えると、1泊目の山小屋標高約1600mの横窪沢小屋に到着。今日は登り標高差約650mを計画より1時間強早い3時間20分で到着できた。翌朝、小屋提供の朝食を済ませて5:30AM出発。標高差約1000mの樹林帯の急登を3時間半を要して、本山行の最高地点となる標高2604mの茶臼岳山頂まで登り着いた。ここからは光岳に続く長大な下り基調の主稜線を喜望峰(2500m)、易老岳(2354m)等のいくつかのピ-クを越えて標高約2200mの三吉平まで、3時間強を要して歩き、ここから光岳小屋までの標高差約300mのゴロゴロ石の最後の登りはかなりきつく感じた。計画では本日は光岳小屋までの累積標高差登り約1500m/下り約700m/歩行距離8.4kmを行動時間10時間20分で歩く行程であったが、予定より約30分早く小屋に到着できて、光岳小屋の食事提供条件(年齢50歳以上の3名以内のパ-ティで、小屋に15時までに到着)を満たすことになり、食事の提供が受けられることになった。そこで自炊がなくなって空いた時間を利用して、明日に予定していた約1時間の光岳頂上(2592m)と光石往復を急遽済ませることにした。樹林に囲まれて眺望のない光岳頂上標識で写真を撮り、大展望が得られるはずの光石に足を延ばしたが、生憎ガスに包まれて期待の大展望が得られなかったのは残念だった。3日目は、光岳小屋をゆっくり出発して茶臼小屋にもう一泊してから、畑薙大吊橋に下山する予定にしていた。ところが、光岳小屋では早朝4:00AMに全員起床の合図があり、日の出と赤く染まる富士山を眺めながらの朝食を摂り、小屋を早々に出発することになった。入山して3日目にして、雲一つない快晴の朝、イザルヶ岳に立ち寄って、南アルプス最深部からの大展望を楽しんだ。今朝の予定を前倒しして昨日のうちに済ましてしまった上、今朝は小屋を予定より3時間40分も早く出発できた。平均年齢60歳超のシニアメンバとはいえ、足の揃った3名パ-ティでのこれまで2日間の行動実績を、ガイドブックに記載されている標準的な歩行時間と比較してみると、いずれも70%台の素晴らしいペ-スで歩いてきている。明日の天気は下り坂の予報でもあり、計画より大幅に前倒しして行動を開始している上、昨日までのペ-スで歩けば、行程を1日短縮し、今日中に畑薙大吊橋まで十分下山できるはずと、3人の意見が一致し、早速行動に移した。上河内岳、聖岳、兎岳、大沢岳、赤石岳、荒川三山等の南ア南部に連なる雄峰の大パノラマを楽しみながら主稜線を茶臼岳まで辿り、さらに、標高差約1600m下って、車を留め置いた沼平駐車場に余力を残して16:25pm無事到着できた。3日目に1日で辿ったコ-スは累積標高差登り約500m/下り約2200m、歩行距離約17kmに及び、このハ-ドなロングコ-スを11時間弱で歩き切ることができたのは、幸運がいくつも重なったとはいえ驚きの結果といえる。途中、赤石温泉白樺荘に立ち寄って、汗と疲れを洗い流し、10:00pmに厚木に帰り着いた。
南アルプス最南部に位置する日本百名山光岳への登山コ-スは、伊那側から遠山川沿いつけられた林道を易老渡まで入り、ここから易老岳に登って、光岳を山中1泊でピストン登山するか、あるいは、北側に位置する赤石岳や聖岳とセットで縦走するというのが一般的な登山コ-スである。ところが、2011年夏の台風被害により、易老渡に通じる林道が大規模に崩落し、以後改修工事が進められているものの、5年後の今日においても全面的に復旧・開通するまでに至っていない。従って、現状、光岳の頂上を踏もうとすると、今回我々が選んだ静岡市畑薙大吊橋から茶臼岳を経由して登下山するコ-ス以外、選択肢がほとんどない。今回、計画段階から工夫と検討を重ねて、山行計画を練り上げ、ロングコ-スを辿ってようやく光岳頂上を踏んだ感激と達成感は計り知れないものがある。

◆谷川岳山行(2016.8.6(土);日帰り)の写真アルバム、山行記録、山行計画書を掲載。

写真アルバム 山行記録 山行計画書

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2016.8.06(土)朝、メンバ11名がハイエ-スに乗車して厚木市を出発。圏央道・関越道を走り、水上ICから谷川岳ロ-プウェイ山麓駅となる土合口駅に3時間強を要して到着。約10分間の空中散歩を楽しんで標高1319mの天神平に到着。10:10am快晴の空のもと、谷川岳頂上に向けて登山を開始した。谷川岳登山道の中で、今回の天神尾根コ-スが、高山植物と大展望に恵まれ、最も安全で楽に登降できる登山道ではあるが、岩場やクサリ場もあり、なかなか侮れないコ-スだ。約3時間を要して、頂上の一角標高1912mの肩の小屋に到着し、少々遅い昼食とした。登りの途中で脚が痙ってしまったメンバ1名を肩の小屋に休ませ、残り10名で、トマノ耳と、その先の標高1977mの谷川岳最高地点オキノ耳の頂上に立ち,大展望とスリルのある岩稜歩きを楽しんだ。計画では、一の倉沢の主要な岩壁が一望できる「ノゾキ」まで足を延ばす予定であったが、上空にガスが懸かりはじめ、この時点で計画より30分以上遅れてしまっていたことから、ノゾキはあきらめ、オキノ耳のすぐ先のピ-クに祀られている「浅間神社奥の院」を参拝して肩の小屋に引き返し、往路をロ-プウェイ乗り場のある天神平まで約2時間を要して下山。かくして、登り/下りともに累積標高差約800m、歩行距離約8kmの本日の日本百名山「谷川岳」登山は、約6時間30分を要して、無事終了することができた。